金曜8時は今週のふりかえり第9回(山内和彦 林田力 増井麻里子 須澤秀人)

日本海賊TV 2015.01.30 @金曜8時は今週のふりかえり 山内和彦 林田力 増井麻里子 須澤秀人
今週は、イスラム国人質、池内さおり氏twitter問題、ギリシャ選挙、ピケティの思想など。

林田力

日本海賊TVは2015年1月30日、「金曜8時は、今週の振り返り」第9回を放送した。直近の出来事、話題についてトークする番組である。今回はイスラム国人質事件、池内沙織衆院議員Twitter事件、スカイマーク破綻、ギリシャ総選挙、ピケティの思想を取り上げた。ゲストは山内和彦・前川崎区議会議員、増井麻里子Ygg代表、林田力・希望のまち東京in東部共同代表。司会は須澤秀人・日本海賊党暫定代表。

イラクとシリアのイスラム国の人質事件は情報が錯綜している。安倍政権も人質救出のために動いているように見える。イスラム国の主張は当初は身代金であったが、死刑囚との交換に変わった。ダッカ事件とは異なり、安倍政権が身代金を支払わない意思を示したために要求を変更したのではないか。

ヨルダン政府が揺さぶられている。日本はヨルダンに巨額の援助をしており、ヨルダン政府は日本に好意的であるが、自国民のパイロットよりも日本人人質の解放を優先するならば国民感情は許さない。王宮近くでもデモが起きている。アメリカのイスラム国に対する戦争に巻き込まれたという不満もある。イスラム国の要求は巧妙であり、要求が通っても通らなくても日本とヨルダンを離間できる。イスラム国がカリフを名乗っていることもヨルダン国王の権威を揺さぶっている。

人質事件に関連して池内沙織衆議院議員(日本共産党)のTwitter事件も起きた。池内議員はTwitterで「こんなにも許せないと心の底から思った政権はない。『ゴンゴドウダン』などと、壊れたテープレコーダーの様に繰り返し、国の内外で命を軽んじ続ける安倍政権」と投稿した。イスラム国を批判せず、安倍政権のみを批判する投稿に「事件を利用して政権批判している」と批判が殺到した。日本共産党の志位和夫委員長も「政府が全力を挙げて取り組んでいる最中だ。今あのような形で発信することは不適切だ」と述べた。

日本共産党は人質事件以前からイスラム国の異常性や残虐性を批判してきた。そのために池内議員のスタンスが異端であることは確かである。共産党そのものが池内議員のような主張と思われて共産党への批判が殺到した。それは共産党にとっては誤解であり、志位発言になったのだろう。市民運動家界隈では池内発言的なものは珍しくなく、逆に志位発言に戸惑いが生まれている。市民運動家の感覚が日本社会から浮いているかもしれない。

経営が悪化していた航空会社スカイマークは民事再生法の適用を東京地裁に申請した。格安航空会社(LCC)の参入で競争力が低下した。目指すところが中途半端である。ワンマン経営者の弊害である。今後も破綻はあるだろうが、航空会社には原油安の恩恵があり、一息つけるのではないか。

ギリシャ共和国の総選挙は港湾の民営化凍結など改革路線の見直しを掲げる急進左派連合SYRIZAが勝利した。ギリシャの経済危機は統一通貨の困難が示している。別々の通貨ならば債務超過や財政危機に陥れば通貨安になり、輸出が伸びて調整される。統一通貨にしたために市場の調整機能が働かない。

スペインやポルトガルはフランスやドイツに働きに出ることも活発であり、単一の経済圏と言える。これに対してギリシャは、冷戦時代はEUの飛び地であった。ドイツにとっては東欧諸国の方が投資先として有望である。ギリシャの問題がEU全体に波及する可能性は低い。逆にドイツ側からユーロ離脱容認論も出ているほどである。

総選挙ではSYRIZAが勝利したが、EUに債務削減を交渉するだけで、根本的な政策転換はできないのではないか。社会民主主義者からマルクス主義者、環境グループまで包含する左派の結集は日本の左翼が喜びそうな事例であるが、SYRIZAが長続きできるかも悲観的である。カリスマ党首の率いる寄せ集めという印象を受ける。中国が経済進出しており、ギリシャが緊縮財政拒否で成り立つとしたら、アフリカの独裁国家のように中国の影響下に入ることになるかもしれない。

トマ・ピケティ(Thomas Piketty)『21世紀の資本』が話題である。ピケティの唱える富裕層への課税強化は彼の主張であり、それが正しいか否かは議論がある。『21世紀の資本』の最も大きな特徴は、所得の収益率よりも資本の収益率の方が高く、何もしなければ格差は拡大することを実証したことである。それにもかかわらず、20世紀に大きく格差が拡大しなかった理由は二度の世界大戦があったためである。戦争は富裕層も直撃する。

幅広い層が関心を寄せているが、ピケティの経済政策に沿った日本の政党は存在するか。革新政党はアベノミクス批判という点でピケティを利用するが、ピケティはマルクス主義的な労働者搾取論を主張してはいない。その著書は当初『21世紀の資本論』と訳されたが、一般名詞として資本という言葉を用いただけで、マルクスの『資本論』を下敷きにしたものではない。


林田力

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